思考力を指導力でカバーする指導 

斜辺をcとし、他の2辺をa、bとする直角三角形では、
a²+b²=C²が成り立つ(三平方の定理)
(問)斜辺C=21、a=19としたとき、bの値を求めなさい。

通常は、三平方の定理を使って、
(解法1)
19²+b²=21²
b²=21²-19² ①
b²=441-361  ②
b²=80
b>0より、b=√80  すなわちb=4√5
①から②への段階で、それぞれ21²と19²の計算をして解きますが、一般的なお子さんであればそれぞれ筆算をして計算をするのではと。

そこで、(解法2)
b²=21²-19²
x²-y²=(x+y)(x-y)の因数分解を利用して
b²=(21+19)(21-19)
b²=40×2
b²=80
b=4√5
とすると、暗算で、慣れれば式を書かずに解答できます。

そして、解法2を要求することが今の定期テストや入試の傾向です。どちらでも正解は導けますが、解く時間と計算ミスのリスクに差が出ます。
いわゆる勉強がデキる子は、解法1の指導だけで、演習の際に思考力で解法2に自ずと気づきます。
そうでないお子さんは解法2もしっかりと説明しておかないとなかなか気づかないのではと。
三平方の定理を使った解き方自体は同じでも、その計算の過程で大きな差がでます。

また、最後の√80を4√5に暗算でなおせるかどうかも、考え方と計算力(暗算力)で差が出ますよね。
個人的な感想ですが、こういったタイプの問題が非常に増えている気がします。
そのため、勉強が苦手なお子さんたちほど、講師の指導力で差が出るのではと・・・。
計算力がそれ程ないことも頭に入れながら指導する必要があります。

解法2までしっかりと指導すれば勉強がデキる子たちにもある程度は追いつけますが、そうでないと差が広がります。
賛否はありますが、お子さんたちの思考力不足は教える側の指導力で補う他ないのではと。

ただ、そうなるとその指導者をそのレベルまで指導する必要が生じます。
人手不足で、今や大学生だけでなく高校生まで講師として雇う個別指導塾もありますから、教室責任者や教務担当者の力量がより必要になります。

もしくは、指導力を補うだけの教材が必要になり、どの教材を使用するかでまたまた大きな差が出ます。
結局は、高いお金を払って塾に通っていても、良い指導者に巡りあえるか、良い教材に巡りあえるかで、大きく変わることになります。
まさに、今流行の「〇〇ガチャ」ですよね。
この点がしっくりこない・・・のは、私だけでしょうか。

ちなみに、今回とり上げた問題の解法1も解法2も中学校でもどの塾でも普通に指導されています。あくまでも例として書いただけですのであしからず。
また、ミックでは私の指導力不足は、選び抜いた良き教材と質の高い講師陣で補っていますのでご安心ください!

 

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